死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン

【 時代を越えて受け継がれるオールドヴィンテージワインを飲んだ方々の体験談をご紹介しています 】

【私の人生を変えた一本のワインNo.7】シャトー・ラフィット・ロートシルト1976

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シャトー・ラフィット・ロートシルト1976

私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン

 この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

 突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?

 ではなく、、、

 本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。

本日インタビューしたのは、この方

佐々木 光さん(会社経営)
EXPLORERS CLUBとして、2018年モナコ公室主催の「薔薇の舞踏会」に参加。東京、千葉の鳶と言えば「有限会社 佐々光工業」 代表。

①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?

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シャトー・ラフィット・ロートシルト1976

人生を変えたというと大袈裟ですが、人生において豊かさが加わったワインは、シャトー・ラフィット・ロートシルト1976です。

※シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)とは?

シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)は、メドック地区ポーイヤック村にあるシャトー。ボルドー5大シャトー筆頭で、5大シャトーのなかで最も繊細なエレガンスを極め、ルイ15世と寵姫ポンパドゥール夫人が愛した「王のワイン」として有名。

18世紀にフランス宮廷でボルドーワインの真価を最初に認めさせたと言われ、1855年パリ万国博覧会で行われたメドック公式格付けでは、第1級格付けの筆頭として最高評価を受けた。まぎれもなく世界最高峰の赤ワイン。

「ラフィットには魂があり、美しい魂があり、優しく、寛大です。ラフィットは地球を夢に変えます。ラフィットは調和であり、自然と人間の調和です。なぜなら、私たちの素晴らしいワイン生産者なしでは、何も行われないからです。」5代目オーナー:エリック・ド・ロスチャイルド男爵(HPより引用)

※1976年(昭和51年)の出来事

日本の内閣総理大臣は、自由民主党三木武夫氏〜福田赳夫氏。

ロッキード事件発覚(アメリカの航空機製造大手のロッキード社による主に同社の旅客機の受注をめぐって、1976年2月に明るみに出た世界的な大規模汚職事件)アントニオ猪木モハメド・アリ異種格闘技戦

②そのオールドヴィンテージワインをどう愉しまれたのですか?

 ちょうど二年前くらいに「今度シャトー・ラフィット・ロートシルトがあるんで飲もうよ!」って集まった10名くらいの仲間で飲みました。

 味としては、やっぱり流石だと思いましたね。エレガントでシンプルな感じで、優しさだとか柔らかさっていうのは、味的には感じました。それは、そのシャトーにも歴史があって、その歴史を知ってから飲むと、全然味わい方が違うと思うし。実際違います。今はストリートビューとかあって、実際そのシャトーの風景を見れますしね。

 

③どんな抜栓だったのですか?

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抜栓の様子

 45年前のワインは、キャップを外して中を見ると、色々歴史があって、普段飲んでるワインの抜栓通りにはいかないですね。どうやって抜栓しようかな?と考えたときに、力づくでやるとちぎれたりするんで、そこらへんはあまりワインにストレスをかけずに抜栓したいという思いがありました。

 

 だいたい30分くらいの時間で抜栓しましたが、もう集中するから汗だくになりました。コルクを途中でちぎるわけにもいかないし、やっぱきれいにコルクをしっかりとぬいてあげたいと思って。そしてやっぱ抜いてみたらキレイでした。しっかり抜けたんで。ちぎれそうなのは手の感覚でわかるので。テンションかけながら調整していきました。

 

④ラフィット・ロートシルト1976。香りはどうでしたか?

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シャトー・ラフィット・ロートシルト1976

 僕が抜栓してたので、一番近くにいたんですが、実際コルクがジワッジワッと上がって香りがフワ~ってくる瞬間、甘くて土の香りがしました。それがちよっとコルクが抜けかかるときに、ほのかに香りがして、抜いた瞬間にフワ〜っと広がる。ビックリしましたね。こんなにも香りがいいんだと。

 

 コルクが抜け始めて、開いた瞬間は、やっぱり期待通りに、「おおおおっ!」っていう反応でしたね。自分でも「おおおおっ!」ってなりました。今まで46年間、閉まっていた扉が開いて、そこから色んなものが飛び出てくる。香りも当然なんだけど。僕の感覚ですが、色んなものを想像しました。それはワインに会う前に色んなものを見て来たので、風景とか、歴史とか、そういう映像が自然に出てきました。たぶん事前に、ロートシルトのことを調べて来なかったら、出てこなかったと思います。

 

 1976年というと、ちょうど自分と同じくらいの年代なので、そのワインを飲めたっていうのは、すごい幸せでしたね。ただ仲間で集まって、「んじゃ飲もうか!」というのではなく、そこに集まった仲間たちは、すべてを愉しむという考えがあるので、それがもう全部ピシピシピシッてはまった感じです。それがなんかこう歴史ある五大シャトーだからね。いいワインを飲ましていただいて、ほんと最高の一日でしたね。

 

⑤最初に口に含んだ一口目は?

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口に含んだ一口目は?

 飲む前に、味わいよりも香りがいいので、飲まずに香りだけで楽しめます。口に含んだら、やはりなんか「重み」みたいのもありますが、でもなんかもう優しさというか、柔らかさというのを感じました。この1976年のロートシルトは。僕は、このロートシルトのエチケットも好きなんですよ。五大シャトーの中で筆頭のワインですからね。

 

 参考までに、ワイン評論家のロバート・パーカー氏は、この「シャトー・ラフィット・ロートシルト1976」を93点と評価しています。

1976年もののラフィットは、このヴィンテージのあまたあるワインの中でも明かにずば抜けている。西洋杉、スパイス、熟した果実の魅惑的な香りから成る美しいブーケの後に、非常に凝縮感のある暗い色合いのワインの味わいが感じられる。すばらしい舌触りと余韻の長さだ。

エッジには琥珀色が少し現れ始めている、1976年ものは、結局1970年代で最高の出来のラフィットとなった。

ロバート・パーカーボルドー第3版」より引用】

 

⑥ラフィット・ロートシルトに出会って、人生変わったことなどありますか?

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ワインは仲間と愉しむ

 人生が変わったというか、人生に豊かさが加わったという感じで、それによって人生に幅が広がった、楽しみが増えました。今までは、正直ワインというのは、ただ飲んでいただけ。一本のワインを楽しむために色んな楽しみ方があるんだなって思うし。最終的には一番大事なのは、どんなワインでも誰と飲むのか、どの場所で飲むのか。ワインを愉しむために、うんちく語るよりも、それを愉しむことが重要ですし、一番愉しいことだと思います。

 ワインって、そのものが共通の会話になるじゃないですか。だから素敵なワインだったら、それだけで会話が成り立ちますね。ワインって不思議で、ワインでずっと話ができるんです。絶対レモン酎ハイじゃこうはならない。コミュニケーションツールなんですワインって。

 

ロートシルトに出会う前の佐々木さんにとってのワインとは?

 会話をはずませるためのツールでしたね。ワインが主役じゃなく、ビールや日本酒とかと一緒の位置づけでした。

 

⑧今の佐々木さんにとって、ワインとは?

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抜栓の様子

 ワインそのものが、仲間達と話すための共通の会話になっています。間違いなく言えることは、人生において”無ければいけないもの”です。仲間と話すときに、無くてはならないものであり、仲間と愉しむための共通言語ですね。

 今は、必ずそばにあるもので、飲まなくてもワインセラーを開けてワインと愉しむ。それくらい今は、自分の生活の中にワインがあります。毎日、ワインを飲みますが、決して酔うためのものじゃなくて、ワインが会話の中心になってます。それが愉しいですね。

 

ロートシルトを異性に例えると?

 僕の中では、エレガントさで言えば、オードリ・ヘップバーンですが、プラス力強さがあったから「キャサリン・ゼタ・ジョーンズ」というイメージです。

 

⑨次、飲みたいワインはありますか?

 当然、ブルゴーニュロマネ・コンティ(Romanée-conti)とか、ボルドーのペトリュス(chateau petrus)とかありますが、五大シャトーの中で、唯一の白ワインである「シャトー・オー・ブリオン(Château Haut-Brion)」飲んでみたいですね。

 

⑩これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて

 ワインを飲む前に、そのワインについて、どんな歴史があるのかは調べて知った方がいいですね。何も知らない状態で飲むのと、歴史や背景情報を知って飲むのとでは、それだけでも味わい方が全然違うので、ぜひ一本のワインを飲むときに、そういう準備、そこら辺も愉しんで欲しいです。

 あとワインってのは感性なので、色んな意見があっていいと思います。でも一緒に飲む仲間たちと感性が違うので、それ聞くのも愉しいですよね。こういう貴重なワインに出会える仲間ができるっていうのがいいですよね。お互いがどう思っているのかって、わかるじゃないですか?それがイコール人に対してどう考えているかってのも分かるし。万物に対してそういう考えを持っているのかなって思うし。ワインの話しを通して相手の人間性が見えてくるから、すっごい楽しいですね。

 

 その一本のワインを表現するために、感性を磨く日常をどう過ごすか?日常をグダグダにしていたら、知的なワイン飲んでもグダグダな味にしか思えないだろうし。感性磨くのは、すごい大事だなと思います。

 僕は毎日、音楽を聴いたり、美術館に行ったり、絵を見ることで、人それぞれ感じ方が違うだろうし。そうするとで今度ワイン飲んだときに、こないだ見た絵のような感じがするという表現ができますよね。やっぱり表現が豊かだと、やっぱり話し相手も楽しいだろうし、それが二人よりも四人とかだと、もっと愉しめますよね。

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シャトー・ラフィット・ロートシルト1976

 

●【最後に 】

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 インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。

 EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。

 メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。

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