死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン

【 時代を越えて受け継がれるオールドヴィンテージワインを飲んだ方々の体験談をご紹介しています 】

【私の人生を変えた一本のワインNo.16】シャトー・マルゴー1969

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シャトー・マルゴー1969】

私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン

 この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

 突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?

 ではなく、、、

 本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。

本日インタビューしたのは、この方

羽賀 誠さん

世界を転戦するプロポーカープレイヤー(ラスベガス在住)として、ブログ『Prince Poker & Explorer Life』を執筆中。

 

①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?

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シャトー・マルゴー1969

2016年3月、EXPLORERS CLUB 主催のワイン会で飲んだ『シャトー・マルゴー(Château Margaux)1969』です。

シャトー・マルゴー(Château Margaux)とは?

シャトー・マルゴー(Château Margaux)は、格付け一級で、ボルドー五大シャトーのなかでもエレガントで最も女性的なワインと評され「ワインの女王」と呼ばれる。1855年の格付け当時から五大シャトーの先頭を争う高貴なワイン。

1810年に、フランスでは珍しい「メドックヴェルサイユ宮殿」と称されるネオ・パラディアン様式の城をボルドーの建築家 ルイ・コンブが建設。

ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人、「レ・ミゼラブル」作者の小説家ヴィクトル・ユーゴーアメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソン、イギリス初代首相ロバート・ウォルなど、各界の著名人に寵愛されていたワイン。

ノーベル賞を受賞した文豪ヘミングウェイは、あまりにもマルゴーを愛し過ぎて、その名を孫娘に「マーゴー(マルゴーの英語読み)」と付けた。その美しい名の孫娘は、映画女優にまでなった。

※1969年(昭和44年)の出来事

第62代内閣総理大臣は、自由民主党佐藤栄作氏。

 

②なぜ、シャトー・マルゴー1969を選ばれたのですか?

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シャトー・マルゴー1969

三年前に、EXPLORERS CLUB主催のワイン会に参加しました。ファウンダーである加藤氏のモナコ公国の自宅ワインセラーから、「シャトー・マルゴー1969」を二本持参されたうちの一本でワイン会を開催されました。

とにかくビックリするほど美味しかったんです。「シャトー・マルゴー1969」を飲んでしまうと、他のワインを”ワイン”と呼んではいけないと思うくらいに。

これまで飲んできた、普通の居酒屋で飲むようなワインと全く違ったワインだったんです。オールドヴィンテージワインというものを、この時、初めて飲んだのですが、同じワインという名前が付いているにも関わらず、味も香りも色もすべて、全くの別の飲みものでした。

 

③ワイン会で強烈な衝撃を受けました!

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ワイン会

ワイン会の開催前に事前メールで、「ワイン会が二時間ほどありますが、抜栓に一時間くらいかかります」というのが来たんです。

「そんな訳ないだろと、、、。」

今までオールドヴィンテージワインというものを飲んだことないので、その内容がわからないんです。だから、「抜栓で一時間もかかるって、何をグズグズしてるんだろう」と思ってたんです。

 

でも実際にワイン会場に行って驚きました。オールドヴィンテージワインの取り扱い方です。長期間寝かせたような古酒には、ワインの成分が沈殿物として現れた大量の澱(おり)が出ます。だから澱が舞い上がらないように、ワインのボトルを1mmも振動させないよう持ち運びます。

 

それにワインのコルクは、年月が経てば経つほど、脆くなっていきます。 慎重に抜栓を行なわないと、コルクが折れたり、ワインの中に入ったりしてしまいます。そんな繊細な飲み物であるオールドヴィンテージワインですので、ワイン会では抜栓者の手元に全員が注目。固唾をのんで見守っていて、会場の一体感がありました。

 

ボトルのキャップシールを剥がし、コルク上部のカビを刮ぎ取り、ソムリエナイフのスクリューを突き刺し、コルクを引き上げていきます。「コルクが1mm上がった!」とか「マルゴーの香りが香り始めてきた!」などをみんなで共有していて、気が付いたら一時間経っていたという感覚でした。やはりオールドヴィンテージワインは、ものすごく繊細な飲み物なのです。抜栓に一時間かかるということに納得しました。

 

④どんな抜栓でしたか?

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シャトー・マルゴー1969

オールドヴィンテージワイン特有のコルクが少しづつ抜け出すと、香りが漂い始めるんですよね。今まで、オールドヴィンテージワインなんて飲んだことがなかったので、芳醇な香りが本当に部屋中に広がるんです。そしてサーブされ始めると、部屋中に広がるアロマの香りがより芳醇な香りがします。鼻の奥の鼻腔あたりに感じるんです。

 

それに、赤ワインと聞いていたのに、ワインの色が赤くない。「これが赤ワインですか?」という色で、赤というよりも煉瓦色という色でした。これを赤ワインというなら、今までの赤ワインは一体何だったんだ?というワイン色の衝撃ですね。

 

⑤一口目、飲んだ感想は?

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シャトー・マルゴー1969

今まで自分が飲んできたワインは、酸味やエグみが強かったりするワインを飲んできましたが、この「シャトー・マルゴー1969」は、酸味とかだけではなく、甘みや酸味もありという、いろんな味わいが同時に来る感じです。いろんな味や香りや色が同時に来る「虹」のような感じを受けました。

 

今までのワインは、酸味という一つの情報量しかなかったのですが、「シャトー・マルゴー1969」は、とにかく情報量がとてつもなく多かったんです。情報量が凄すぎて「なんだこのワインは?」と情報を処理できず、混乱してしまいました。人生で初めて、混乱するワインだったので人生を変えたワインに選びました。

 これが「芳醇(ほうじゅん)」です。

芳醇って言う言葉、今までの人生の中で使ったことないんですが、「シャトー・マルゴー1969」を飲んで初めて「芳醇(ほうじゅん)」という言葉を使いました。

 

シャトー・マルゴーがきっかけで、人生どのように変わりましたか?

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エンジニアからプロポーカープレイヤーに転身。生き方を変えた

自分のこれまでの経験や知識とは全く別の所に、こんないいことがあるんだ!ということを初めて知りました。

高いワインは美味しいという話は、よく聞きますが、そうは言っても「所詮ワインじゃないか、、、」と思っていたんですが、実際に「シャトー・マルゴー1969」を飲んで、これは人生損していたと気がついたんです。だから『もっと』人生を愉しむということを求めた方がいいという生き方に変わりました。

 

⑦これまでの羽賀さんにとってワインとは?

居酒屋にあるお酒の一種でした。ビールや日本酒と同じ分類でした。前に勤めていた会社の飲み会とかでワイン飲んでいました。

 

⑧今の羽賀さんにとって、ワインとは?

これまで飲んでいたワインは「ワインではなかった!」という衝撃。オールドヴィンテージワインは贅沢です。贅沢というのは、金額が高いという意味ではなく、オールドヴィンテージワインがあるだけで充実した時間になります。ワインを飲みたいというよりも、参加したワイン会のような、あの上質な時間を過ごしたい。そのために必要なものです。

 

シャトー・マルゴー1969を女性に例えると?

魅力的だけど、とても気分やの女性のイメージです。なんとか振り向かせたい、魅力的な女性のイメージです。1969生まれのマルゴーは歳上ですが、年齢を一切気にしない魅力的な女性ですね。

 

⑩これからオールドヴィンテージワインを愉しむ方に一言

一本の素晴らしいオールドヴィンテージワインをみんなで一緒に飲むことだと思います。1000円のワインを一万本飲むより、高価なワインを一本飲んだ方がいいと思います。わからないからこそ、飲んでみたいと思わないような高価なものを一度飲んでほしいです。

私が飲んだ「シャトー・マルゴー1969」は、一本約20〜30万円ほど。なぜワイン一本に20万円も払わなければならないのか?「頭おかしいのじゃないか?」と思うからこそ、一度そのワインを飲んで頂きたいですね。

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シャトー・マルゴー1969

 

●【最後に 】

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 インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。

 EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。

 メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。

 こちらの申し込みフォームにご登録いたただきますと『次回の開催案内』をメールにてご連絡させていただきます。

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