【私の人生を変えた一本のワインNo.20】シャトー・タルボ1985
- 私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
- 本日インタビューしたのは、この方
- ①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
- ②なぜ、「シャトー・タルボ1985」を選んだのか?
- ③どんなワイン会だったんですか?
- ④一口目は、どんな印象でしたか?
- ⑤シャトー・タルボに出会って、人生がどのように変わりましたか?
- ⑥シャトー・タルボに出会う前の大山さんにとってワインとは?
- ⑦今の大山さんにとって、ワインとは?
- ⑧これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
- 【大山 真季さんのインタビューを終えて】
- ●【最後に 】
私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?
ではなく、、、
本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。
本日インタビューしたのは、この方
大山 真季さん
プライベートサロンオーナー・トータルビューティーアドバイザー
幼少の頃からオーストラリアに留学。ハーバードビジネススクール卒業後、多くの女性が夢を叶え続ける人生を歩むためのサポートがしたいと独立。エステ、アロマ、カラーセラピー、タロットなど幅広く手がける一方、自らもモナコ公室主催の薔薇の舞踏会に出席したり、パリを拠点を作ったりと、世界で活躍する女性を目指している。
①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
2015年5月13日に、自ら主催したワイン会で飲んだ『シャトー・タルボ1985 』34年前のワインです。
※シャトー・タルボ(Chateau Talbot)とは?
シャトー・タルボ(Chateau Talbot)は、凝縮しつつもなめらかなスタイルは、まさにボルドーワインの優雅さと偉大さの典型。
所有するブドウ畑の面積は「107ha(ヘクタール)」と、メドック地区でも2番目の大きさを誇っている。タルボはボルドーでは唯一、手摘みで収穫されたブドウを、余分な水分を飛ばすために温風の出るトンネルをくぐらせる。元来ピーチなどのデリケートなフルーツに施されてきた手法である。
15世紀のイギリス統治時代にサン・ジュリアン一体をタルボ将軍が治めていた。タルボ将軍はイギリスの歴史の中でも名将として有名で、シェイクスピアの「ヘンリー6世」にも出て来る、英国人にとっては歴史上の英雄です。
これが名前の由来で、1453年にカスティヨンの戦いで敗れた、イギリス人のギィエンヌ総督、英軍指揮官タルボ将軍、シュルベリー伯爵にちなんだもの。
※1985年(昭和60年)の出来事
男女雇用機会均等法が成立。群馬県の御巣鷹の尾根に墜落した『日航ジャンボ機墜落事故』もこの年。初の日本人宇宙飛行士誕生し、携帯電話の先駆けとなるショルダーフォン(NTT)も登場。
ファミコン用ソフト『任天堂スーパーマリオブラザーズ』が発売され空前の大ヒット。ヒット曲はチェッカーズの『ジュリアに傷心』で、映画では『ゴーストバスターズ』がランキングNo.1になっている。
②なぜ、「シャトー・タルボ1985」を選んだのか?
2014年2月に開催されたEXPLORERS CLUB 主催の「シャトー・タルボ1985」ワイン会に参加することができなかったのですが、そのワイン会の様子がとても素敵で「シャトー・タルボ 飲みたい!」と強い衝動に駆られ、すぐに自分で購入しました。
でも、一人で飲むより仲間と飲みたいと思ったので、当時、モナコ公国より一時帰国されていた EXPLORERS CLUB ファウンダーである KATO氏をお誘いさせていただき、2015年5月13日に、私含む5名の極少人数でワイン会を開催させていただきました。
このワイン会での印象が強烈残っていたのと、その後の私の人生を大きく変えてくれるきっかけを作ってくれた「シャトー・タルボ1985」を私の人生を変えた一本のワインに選びました。
③どんなワイン会だったんですか?
東京都港区の麻布十番にある会員制の素敵な会場で行いました。今回のワイン会は、ワインのみではなく、お料理も一緒に楽しめるという特別なワイン会。KATO氏が作ってくださるお料理と共に、”マリアージュ”というものを初めて経験をさせて頂いたワイン会でした。
ワインの抜栓では、途中でコルクが折れてしまいましたが、その後ふわっと香ってきた香りで、はじめて「エレガント」という表現が浮びました。当時まだそんなにワインについて詳しくもなかった私でしたが、それでも「エレガント」という言葉がふと出てくるほど美しいワインでした。
④一口目は、どんな印象でしたか?
当時の私は赤ワインをそのまま飲むことが苦手だったんです。
渋かったり重かったりするのがすごく苦手だったので、甘めのワインを好んで飲んでいましたが、この時は、まず赤ワインの「渋かったり重かったりする」という苦手意識を捨て、「シャトー・タルボ1985」の色を視覚から愉しみ、次に芳醇な香りを嗅覚で愉んでから、最後にゆっくり口の中に含んで味そのものを視覚・嗅覚・味覚で味わいながら、自分の中に落とし込んで飲んだ一口目でした。
しっかりと熟した葡萄の味わいが豊かに広がり、初めて「ワイン」というものが、しっかりと私の身体の細胞ひとつひとつに刻みこまれていくような印象でした。
参考までに、ワイン評論家のロバート・パーカー氏は、この「シャトー・タルボ1985」を89点と評価しています。
1985年のタルボは1982年ものを小型にしたようなワインであり、現在、飲むのにはうってつけである。色は非常に深みがあり、熟した、豊かなベリーのような香りがあり、しなやかで肉付きがよく、ミディアムボディである。たっぷりとした果実味があり、フィニッシュはなめらかで優雅で、すばらしくバランスがよい。
⑤シャトー・タルボに出会って、人生がどのように変わりましたか?
ワインと食事がマリアージュすることを体験したのも、真摯にワインやお料理と向き合ったのも初めてでした。それまではワインと食事をマリアージュさせるなんて考えてもいませんでした。
『マリアージュ(mariage)』というのは、フランス語で「結婚」という意味。特にフランス料理などで、料理とワインの組み合わせや、その相性がよい場合に用いられます。
つい先日も、あるブルーチーズと「シャトー・ラボー・プロミ2003」を合わせた時、あまりの美味しさに悶絶しました。ブルーチーズの臭みを蜂蜜のような高貴な甘さで包み込み、甘くスイートな感じに仕上がり、まろやかな幸せが、溶け込んできて思わず・・・
「甘〜い恋の中にいます、、、私♡」
と表現してしまいました(笑)
恋人と甘々なロマンティックな夜を過ごしているかのような情景が口の中に広がってくるんです。この奇跡の出会いは衝撃的でした。
はじめブルーチーズ一色になっている口の中に、一口の蜂蜜のような高貴な甘さの「シャトー・ラボー・プロミ2003」が流れ込んでくる。そこでそれぞれがもっている美味しさのポテンシャルがガッチリとハマったとき、2つの良さが化学反応を起こして、「え??こんな素敵な味になるの!?」という新しい世界が広がるんです。これがマリアージュ。とろけます。
私にとっての食事とワインのマリアージュは、相思相愛の夫婦やパートナーというイメージですね。ワインと食事、それぞれで愉しむのも素敵なことですが、ふたつの世界が交わった時、今まで味わったことのない新しい世界が広がっていく。そのマリアージュが完成した時の至福感といったらもう、、、たまりません♡ これは「シャトー・タルボ1985」でマリアージュを体験して無ければ、絶対に分からなかった感覚だと思います。
「シャトー・タルボ1985」のワイン会のときに、マリアージュがこんなにも素晴らしいものだと教えてもらえたので、逆にこれとこれは合わせるべきものではないということも、口に含んだ瞬間、瞬時に分かるようになりました。今ではどの食事に、どのワインが合うだろうと考えるようになりましたし、自分でお料理をする際にもマリアージュを考えるようになったので、お料理するのが更に愉しくなりました。
⑥シャトー・タルボに出会う前の大山さんにとってワインとは?
オーストラリア留学時代にはじめてワインを飲み、その時ワインは「飲み会で出てくるもの」と思っていました。オーストラリアでは、ビールかワインが主流でしたが、苦い・辛口・重い・渋い、の味が苦手だったので、ワインをサイダーで割って自分流のカクテルを作って、飲んで楽しく酔っ払いながら友達と時間を過ごすものでした。みんなと飲んでいるから愉しく酔っ払わなきゃいけないという感じで。
⑦今の大山さんにとって、ワインとは?
私の人生をより豊かしてくれて、そして世界の幅を広げてくれる「友人」です。
仲間や大切な人との時間を美しく彩ってくれる友人であり、美味しいお食事の世界を更に広げてくれる友人であり、世界中どこにいてもワインはあるので、その土地々々で多種多様な方と美味しく飲み、共通言語として語れる友人なので、新しい世界の扉、そして異次元の世界への扉を開いてくれる最高の友人です。
⑧これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
ワインは絶対に素敵な仲間と一緒に飲んでほしいなと思います。上質なワインを選び、味わい、ワインの豊かさや奥深さを味わって、ひとつひとつを自分の細胞に刻み込んでいくとことを意識すると更に愉しめると思います。そして、その時感じた感動をどんどん言葉にして表現していくことによって、一緒に飲む方と同じワインを共有していく愉しが増していくようになります。
ワインのウンチクを学ぶと更に愉しさは増すかもしれませんが、たとえ詳しい知識がなかったとしても恥じることはなく、純粋に感じたことをそのまま表現していくと楽しくなっていきます。それが共通言語にもなっていき、自分自身での表現力も増して、更にワインのことを知りたいという欲求を深めてくれるので、次どんな表現をしようかなと思ってワインのことを勉強しようと思うようになってきます。
そしてワイン単体のみで味わうのもよいのですが、お食事とのマリアージュも意識してもらえると、お食事とワイン両方ポテンシャルを更に引き上げて想像以上の美味しさの世界を口の中で広げてくれるので、ぜひ皆さんにも素敵なマリアージュを体験してもらいたいなと思っています。
【大山 真季さんのインタビューを終えて】
今回の大山さんのインタビュー。事前資料をきちんと準備してくださり、完璧な状態で望んでくださいました。何事にも完璧に準備して望まれる方だということが伝わります。しかしインタビュアーとしては、完璧に準備されている話、以外のことも聞きたくなります。
ということで、今回は、ワインの話だけではなく、マリアージュを体験した過去の”甘〜い”お話まで聞くことができました。マリアージュすると新しい世界が広がるんですね。インタビューで、マリアージュのことを振り返っている時は、その時の興奮が蘇ってくるようで、体全身から「至福感」が溢れ出ていました。
ブルーチーズと「シャトー・ラボー・プロミ2003」のマリアージュは、この2つの組み合わせだけでなく、人生の全てを愉しむ大山さんが組み合わさったことで起きた、三位一体、奇跡のマリアージュですね。
「インタビュアー・WRITING:山下裕司」
●【最後に 】
インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。
EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。
メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。
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