死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン

【 時代を越えて受け継がれるオールドヴィンテージワインを飲んだ方々の体験談をご紹介しています 】

【私の人生を変えた一本のワインNo.23】シャルム・シャンベルダン2009

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【シャルム・シャンベルダン2009】

私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン

 この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。 

  突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?

 ではなく、、、

 本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。

本日インタビューしたのは、この方

西方 綾さん(営業)

全国90店舗あるウエディングドレスショップの人材育成担当をしていたが、モナコ公国が主催する世界最高峰の舞踏会である「薔薇の舞踏会に行き続ける人間になる!」という夢を叶えるために、キャリアアップすることを決意。今までと違う人生を歩むため、ディンギーヨットに乗ったり、ワルツを踊ったり、チャレンジを続けている。

 

①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか? 

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写真:ワインならワイングロッサリードットコム より引用

2018年12月にEXPLORERS CLUB主催のワイン会で飲んだ『シャルム・シャンベルダン2009』10年前のワインです。

※シャルム・シャンベルダンとは?
  • 【産地】フランス/ブルゴーニュ地方/ジュヴレ・シャンベルタン村

シャルム・シャンベルダン(Chapelle-Chambrtin)は、色合いの濃い芳醇なワインで、力強さと品格を備えたシャンベルタンは、まさに「ブルゴーニュワインの王様」と称えられるに相応しいワイン。

ナポレオンが愛した銘醸畑「シャンベルタン(特級畑)」があることでも有名で、ブルゴーニュ随一の鮮烈で堅牢なワインを生む。

※2009年(平成21年)の出来事

内閣総理大臣は、自由民主党 麻生太郎氏 → 民主党 鳩山由紀夫氏。

 

②なぜ、『シャルム・シャンベルダン2009』を選んだのですか?

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EXPLORERS CLUB 東京地区ワイン会

この「シャルム・シャンベルダン2009」は、EXPLORERS CLUB 東京地区の歓迎会で用意してくださったワインでした。オールドヴィンテージワインの愉しみ方を初めて体験させていただいたワインですので、それが強烈に印象に記憶に残っていますし、それからの人生を変えたという意味でも。

 

この「シャルム・シャンベルダン2009」のことを事前に調べたんですが、シャルム・シャンベルダンはあまり手を加えないで、植物の生命力とか自然治癒力を高める農法で、ブドウの木を育てているというのがわかりました。

例えば、ブドウの木が一本だけ病気になったとすると、普通なら農薬を使って、その病気が広がらないように処置すると思うんですが、そういう農薬対策もしないらしく、葡萄畑全体の約20%にその病気が蔓延したら初めて農薬を使うらしいんです。

それまでは放置というか土を改良したりとか栄養を与えたり、自然治癒力を高めることで、病気と闘わせて強くする農法を取っているのです。かなりスパルタに育てられてるんだなと思いまして(笑)

 

単純にすごい!って思いました。普通に温室育ちで、波風無く穏やかな人生を過ごしたわけではなく、スパルタで育ったワインということが分かりました。よくここまで来たねって思いました(笑)

そういう感覚が芽生え、一本のオールドヴィンテージワインに、そこまで想いを馳せを愉しむということが、愛おしいっていう感情になって飲むのが、生まれて初めてだったんですよ。ものすごい記憶に残ってるんです。

 

③「シャルム・シャンベルダン2009」の香りや味は覚えてますか?

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美しい空間でワインを愉しむ

ほんとに予備知識で、スパルタで育ってきたワインだって前提があるからなんですけど、ほんとにすごい生命力の塊って感じでした。私達って、野生で育ったバナナって食べないじゃないですか?品種改良された種のないバナナをスーパーで購入して食べるじゃないですか?その原種を食べたっていう感覚、本当に凝縮されてるブドウの生命力の塊という感覚を感じました。

すごい厳しい環境でスパルタで育ってきて、叩き上げでワインになったブドウがここにあるんだと思って飲んだので、いわゆる赤ワインの味ではなかった記憶があって、飲みやすいという感覚よりも、やっぱり感動の方が大きかったです。逆に『シャルム・シャンベルダン2009』の予備知識がなかったら、ほんと何も感じず、一つの単なる赤ワインを飲んだだけだったと思います。

事前に歴史や背景を調べて、みんなでシェアし合って飲むということができたから『シャルム・シャンベルダン2009』の味も香りも愉しめたんだと思います。

 

④シャルム・シャンベルダンに出会って、人生変わりましたか?

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ワインの愉しみ方が、全く変わりました

やっぱり「シャルム・シャンベルダン2009」の歴史や背景を知るという、大事さを改めて知りました。今まで当たり前にオーダーして、普通に注がれて飲むということを経験してきました。今までだったら、それ以上、ワインのことを知ろうとしなかったんです。知ろうとしたとしても銘柄ぐらいの話ししかなかったんです。

作り手の想いを知ったりとか、どういう時代を経て、今、私の目の前にあるのか?とか、知りたいこと、いっぱいあるじゃないですか?その背景を知れば知るほど、手元にあるワインの存在価値が大きくなるので、それだけワインを愉しめます。そういう愉しみ方を知ったので、それはワインにとどまらず、人生が広がった感じがします。

 

⑤このシャルム・シャンベルダンに出会う前、ワインってどんな存在でした?

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ワインは、人生を愉しむツールです

単純に食事と合わせて飲むもの、いわゆる食事とマリアージュさせて食事をより美味しくいただくための飲み物って感じでした。ワインがメインというより、食事を美味しくいただくためのワインでした。

赤ワインとかチーズとか、ちょっとくせが強いのが好きなんですよ。赤ワインも濃い、重ための、くせがある、そういうのが好きですね。アルコールも大好きでした。

 

⑥シャルム・シャンベルダンと出会って、ワインとはどんな存在ですか?

すごく自分の感性を高める訓練をしている感じがします。色んな知識を持ち寄り、その一本のオールドヴィンテージワインと向き合い、参加者みんなでその一本のワインを知ろうとするじゃないですか?

みんなのシェアを聞きながら、表現方法だとか、自分が感じた感覚をまだ言語化できないところがあるので、それをみんなで聞きながら自分のものにしていくこともそうですし、ワインを知って表現するってとこで、感性を磨く場面だなって思います。

 

⑦一本のワインをみんなで分け合い愉しみ尽くす

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オールドヴィンテージワインを愉しんでください

先日、ちょうど『シャトー・ムートン・ロートシルト1989』を愉しむワイン会があったんですが、15人ほど参加し、一人50mlとか、そんなレベルの量だったんです。それを二時間かけて味わって、飲み切った後のグラスの香りも良くて、その香りを愉しんだり、今までの飲み方では考えられないです。二時間かけて50mlを飲むっていう。昔だと5分くらいで普通だったら飲んじゃう量です。

ワインを愉しむ目的が全然違うと思いました。昨日の『シャトー・ムートン・ロートシルト1989』は、当たりって感じのオールドヴィンテージワインを飲めました。なんかまだ現役バリバリだった感じです。五大シャトーの一級っていうと50年くらい熟成してからって言いますが、そう考えるとまだ10年くらい早かったイメージです。もっと100年熟成したのを飲んでみたくなります。興味津々です。

ワインに触れて、造り手の人々の想いを馳せて、その人の価値を下げないように、自分がそういう人になって飲む。そういう意味で感性が研ぎ澄まされますね。ほんと自分が成長していかなきゃいけないなと思いました。

 

⑧『シャトー・ムートン・ロートシルト1989』を異性に例えると?

このワインは異性に例えると、野生児って感じです(笑)野生児ですけどエレガントな感じですね。生まれも育ちもお家柄もいいタイプではないというか、直接エレガントに生きてきたっていう感じですかね?そういう意味でのパワフルさを感じました。芯の強さがあると感じます。

 

⑨これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて

私もそうだったように、初心者だとオールドヴィンテージワインを愉しむっていうのは、なかなか難しいと思うんです。銘柄とか種類とか、複雑すぎてよくわからないじゃないですか?でも一番は、そのワインの歴史や、誰が作ってるかとか、どの土地で作られてるかとか、今は Google Map で写真を見れるんですよね。

どんな土地や畑で育ったのか?どんなシャトーなのか?そういうのを見て、事前にワインの情報を得て、向き合ってから愉しむと面白いと思います。どんな想いを持って作ったのか?を知るだけで、受け止めれるものが変わると思います。「美味しい・美味しくない」って、味覚の品評に収まってしまうのが、本当にもったいないと思いますので。

 

もちろん、味も大事です。でも、そこだけじゃない。味が万が一劣化していても、そのワインの育ってきたプロセスも愉しめると思うと、オールドヴィンテージワインって、私達と同じ「人」みたいなもんじゃないですか?

味の優劣というよりは、それも個性として捉えて「美味しい・美味しくない」という判断するのではなく、一人の人格としてみるのであれば、愉しみ方が変わりますよね。人でも、いろいろと回り道している人の方が面白いじゃないですか(笑)

優等生として、温々と守られて温度管理されたワインというのも、きっと美味しいと思います。けど、それこそ究極のオールドヴィンテージワインとかだと、沈んだ船から引き上げられてっていうのもあるじゃないですか?それも生き方なわけで、ワインの生き方を含めて受け取って向き合うのが、絶対面白いと思います。

 

なんか純粋に知らない世界を開いてみたら奥が深すぎて、けど深いと思って難しいって思っていたけど、すごいドラマがいっぱいあるじゃないですか?それがすごい興味をそそられますね。

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オールドヴィンテージワインを愉しんでください!

 

 

●【最後に 】

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 インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。

 EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。

 メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。

 こちらの申し込みフォームにご登録いたただきますと『次回の開催案内』をメールにてご連絡させていただきます。

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