【私の人生を変えた一本のワインNo.25】シャトー・ラフィット・ロートシルト1874
- 私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
- 本日インタビューしたのは、この方
- ①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
- ②なぜ、「ラフィット・ロートシルト1874」を選んだのでしょうか?
- ③どんな抜栓だったんですか?
- ④どんな色や香りでしたか?
- ⑤一口目は、どんな印象でしたか?
- ⑥ラフィット・ロートシルトを飲んで、人生がどのように変わりましたか?
- ⑦ラフィット・ロートシルトに出会う前の西川さんにとってワインとは?
- ⑧今の西川さんにとって、ワインとは?
- ⑨これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
- 【西川 麗子さんのインタビューを終えて】
- ●【最後に 】
私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?
ではなく、、、
本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。
本日インタビューしたのは、この方
西川 麗子さん:EXPLORERS CLUB事務局(写真左)
上の写真は、EXPLORERS CLUBで開催された「ウルトラワイン会」での一枚。ファウンダーであるKATO氏がモナコの自宅のワインセラーから持参された、総額5,000万円以上のウルトラワインと共に。
- 1968 Château Calon Segur(シャトー・カロン・セギュール)
- 1968 Château Petrus(シャトー・ペトリュス)
- 1959 Bollinger(ボランジェ)特別枠
- 1958 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
- 1938 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
- 1874 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト)
- 1918 Château Latour(シャトー・ラトゥール)
- 1918 Château d’Yquem(シャトー・ディケム)
- 1811 Camus Napoleon Grandemarque Cognac(ナポレオン・グランコニャック)
①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
EXPLORERS CLUB 主催のウルトラワイン会で飲んだ『シャトー・ラフィット・ロートシルト1874 』146年前のワインです。
※シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)とは?
シャトー・ラフィット・ロートシルト(Château Lafite-Rothschild)は、メドック地区ポーイヤック村にあるシャトー。ボルドー5大シャトー筆頭で、5大シャトーのなかで最も繊細なエレガンスを極め、ルイ15世と寵姫ポンパドゥール夫人が愛した「王のワイン」として有名。
18世紀にフランス宮廷でボルドーワインの真価を最初に認めさせたと言われ、1855年のパリ万国博覧会で行われたメドック公式格付けでは、第1級格付けの筆頭として最高評価を受けた。まぎれもなく世界最高峰の赤ワイン。
「ラフィットには魂があり、美しい魂があり、優しく、寛大です。ラフィットは地球を夢に変えます。ラフィットは調和であり、自然と人間の調和です。なぜなら、私たちの素晴らしいワイン生産者なしでは、何も行われないからです。」5代目オーナー:エリック・ド・ロスチャイルド男爵(HPより引用)
※1874年(明治7年)の出来事
内閣制度ができる前の時代。初代内閣総理大臣の伊藤博文が明治18年〜。
明治維新直後の日本。板垣退助らにより、国民によって選ばれた議員による国会設立を目指すために「民撰議院設立建白書」が政府に提出された。江戸幕府の崩壊で無政府状態にあった東京に東京警視庁が設置。
世界では、ドイツが統一され、ドイツ・オーストリア・ロシアの三国による対フランス同盟「三帝同盟」が締結された時代。
②なぜ、「ラフィット・ロートシルト1874」を選んだのでしょうか?
実は、このウルトラワイン会では、そのロートシルト1874を飲む前に、ラフィット・ロートシルト1958(60年もの)とラフィット・ロートシルト1938(80年もの)二本を飲みました。つまり、60年もの、80年もの、144年ものの3本を飲み比べができるという時空を旅する、すごいワイン会でした。
実は、、、今までボルドーの五大シャトーを飲む時は、生産してから50〜60年が美味しいと聞いていたので、きっと144年は時間が経ち過ぎて「そんなに美味しくないのかな?」と思ったり、「きっと60年ものの方が美味しいんじゃないか?」と思ったのですが。
もう完全に裏切られて、こんなの初めてっていう感じで、ものすごく美味しかったんです。これまでの人生の中で経験したことのないくらい心豊かなで上質な時間でした。完全に自分の思考が、世の中の常識というものに、擦られていることがよく分かりました。
「一般的に50〜60年が美味しいと聞いたことあるし。144年も経っていたら、美味しくないのでは?」という思い込み、自分の思考が、まんまと覆されたということで、シャトー・ラフィット・ロートシルト1874を選びました。
③どんな抜栓だったんですか?
144年前のワインなので、もちろんコルクがボロボロだったんですが、キャップを開けると、コルクの上の部分が石化したようになっていて、それでその縁を削ると浮いたような状態にだったんです。それをピンセットで挟んで持ち上げていって抜栓するっていう。
このワインだけに限らず、この日の抜栓は手術みたいな感じですごかったんです。オープナーなんて使えないくらい、コルクがボロボロになっているワインばかりでしたので。ピンセットばかり使う抜栓は初めてでした。
④どんな色や香りでしたか?
ボトルに入っている時点でのワインの色がグラデーションになっていて、ボトルの上部はロゼより薄い色で、実際サーブで注ぐと、ロゼ色よりももっと薄いんです。
このグラデーションを見るだけで、モナコからの搬送にどれだけ細心の注意を払って日本まで持ってきたかが容易に想像できました。
私が頂いたのはボトルの下部だったので、色はロゼ色より濃いブルゴーニュほどに赤かったのですが、とにかく甘いんです香りが。芳醇なんです。時間が経てば経つほど、さらに香りが甘く高貴な香りがより際立っていく感じです。
⑤一口目は、どんな印象でしたか?
一口目を口に含む直前は、ラフィット・ロートシルト1958(60年もの)の方が美味しいのかな?と思っていたのですが、一口目を口に含んだ瞬間「えっ!?これが144年もの!?」っていう感じで、ワインの香りも味も自分の思考を遥かに超えてました。
自分の固定概念が間違い過ぎてるのは、ハッキリと分かりますし、ワインですら世の中の常識というやつに擦られていたと気付きました。そのワイン会には30人ほどいて、みんなで一本を分けたので一人分の飲む量は少ないですが、この144年もののロートシルトが、時間が経つとどうなるのか?っていうのも味わいたかったので、少〜しずつ飲んでたんです。
サーブした時よりも30分経っても、香りもすごく芳醇でいて、美しく歳を重ねた素敵な年配の女性という感じでした。
⑥ラフィット・ロートシルトを飲んで、人生がどのように変わりましたか?
優雅、高貴、エレガント。その全てを感じることができ、年月を重ねるってこんなに素晴らしい事なんだと気付かされました。
それまで頭のどこかに、やっぱり歳を重ねたくないっていう気持ちがあったんですが、美しい歳の重ね方をするということを、シャトー・ラフィット・ロートシルト1874に出会い、身を以て体験することが出来ました。このワインは144年もの間、すごく丁寧に扱われてきたと思うんです。私自身ももっと丁寧に生きていきたいと思いました。
⑦ラフィット・ロートシルトに出会う前の西川さんにとってワインとは?
どこかフレンチに行った時に飲むもの。日常でそんなに飲んでもなかったですし。美味しいと思ったこともあまりなくて、飲めないことはないけど、そんなに調べてまで飲みたいとも思ってなかったです。
⑧今の西川さんにとって、ワインとは?
「生きていく上で欠かせないもの」です。食事の時、いつも飲んでるわけではないですが、家族や仲間と美味しい食事を頂くときに、美味しいワインとのマリアージュは欠かせないです。食事の際は、そのワインに合う料理を作りたいと思うし、どうマリアージュさせようかな?と考えるのも愉しいです。ワインだけで飲むってことはあんまりないですね。
モナコやフランスに行くと、さらに「生きていく上で欠かせないもの」ということを感じます。ワインを売られてる量も種類も日本と比べて豊富ですし、日常飲むハウスワインもあれば、何かの機会のときに、普段飲めないオールドヴィンテージワインも飲むこともあります。
⑨これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
ワインに先入観とかはいらないです。五大シャトーは50年経ってからが美味しいとか、先入観や余計な知識はいらないです。美味しくないワインはありません。とにかく食事とのマリアージュは愉しんでほしいです。このワインだったら何が合うかな?っていうのを常に考えていると、ワインはもっと愉しめますね。
【西川 麗子さんのインタビューを終えて】
まず144年前のワインと聞いて、自分が生まれるよりも100年以上前の飲み物を体に染み込ませる、というのを想像しただけでなんか体がゾクゾクしました。
そして、まるで手術のような抜栓。オープナーを使わずにピンセットでコルクを取り出していく、その姿はまるで医龍の坂口憲二演じる朝田龍太郎が心臓移植という難手術を成功に導いていく画が見えました。
僕もマリアージュという言葉は初めて聞きましたが、やはり相性というのは何においても大事なことですよね。特に100年以上前のワインとなると何が合うのかというのは限りなく範囲が狭まると思います。いずれ自分がそのワインと出会う時は完璧なマリアージュを身に付けたいものですね。
WRITING 落合 予示亜
「インタビュアー 山下裕司:WRITING 落合 予示亜、山下裕司」
●【最後に 】
インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。
EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。
メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。
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