福岡天神 オールドヴィンテージワイン会【福岡15会】

【初心者・お一人さま歓迎】「今まで経験したことのないワインの楽しみ方!」とお喜びの声を頂く、歴史ある上質の一本をじっくり味わい愉しむワイン会です。

【私の人生を変えた一本のワインNo.29】シャトー・マルゴー1975

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シャトー・マルゴー1975】

私の人生を変えた一本のワイン

あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?

ではなく、、、本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズ。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介していきます。

 

本日インタビューしたのは、この方

中川 吉右衛門さん(農家)

山形県高畠町『天然農法・自然栽培14代 中川吉右衛』特定非営利活動法人『Fan土 earth JAPAN』代表理事

在籍メンバー450名を超える EXPLORERS CLUB の全国の地区を統括する地区統括であり、狩猟部長。

 

①中川さんの人生を変えた一本のワインは、何ですか?

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シャトー・マルゴー1975

EXPLORERS CLUB 東北 主催のワイン会で飲んだ『シャトー・マルゴー1975(Château Margaux)』です。

※「シャトー・マルゴー

シャトー・マルゴー(Château Margaux)は、格付け一級で、ボルドー五大シャトーのなかでもエレガントで最も女性的なワインと評され「ワインの女王」と呼ばれる。1855年の格付け当時から五大シャトーの先頭を争う高貴なワインです。

※1975年(昭和50年)の出来事

第66代内閣総理大臣は、自由民主党三木武夫氏。天皇が史上初めてアメリカ合衆国を公式訪問。山陽新幹線岡山駅博多駅間開業。きのこの山明治製菓)や黒ひげ危機一発タカラトミー)が大ヒット。 

 

②なぜ、そのワインを選んだのでしょうか?

僕と年齢が一緒のヴィンテージであり、「これが、今からマダムとして生きようとする43歳のときの感じなのか!!」というレディース&ジェントルマンとしてのエレガンスを猛烈に感じたワインだからです。

 これまでも、EXPLORERS CLUB 主催のワイン会で、

  • 1968 Château Calon Segur(シャトー・カロン・セギュール
  • 1968 Château Petrus(シャトー・ペトリュス)
  • 1959 Bollinger(ボランジェ)特別枠
  • 1958 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト
  • 1938 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト
  • 1874 Château Lafite-Rothschild(シャトー・ラフィット・ロートシルト
  • 1918 Château Latour(シャトー・ラトゥール
  • 1918 Château d’Yquem(シャトー・ディケム)
  • 1811 Camus Napoleon Grandemarque Cognac(ナポレオン・グランコニャック)

総額5000万円の、これらウルトラ級の素晴らしいワインを飲みましたが、やっぱり仙台で開催したワイン会で飲んだ「シャトー・マルゴー1975」です。

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ウルトラワイン会にてEXPLORERS CLUBファウンダーのKATO氏と

 

③どんな抜栓だったんですか?

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皆が抜栓に集中。素敵な緊張感に包まれる会場

抜栓する前の段階で「あ、これヤベイな、、、」と思ったんです。抜栓する前にボトルの中身を見たら、赤ワインなのに、かなり透明感あるなと。しかし僕の直感ですが、このシャトー・マルゴーが「私、行けますよ!!」というオーラをめちゃくちゃ放っているのを感じたんです。

ただ、それと同時に、過去の経験や知識など過去ベースで「本当に飲めるのだろうか?無理なんじゃないか?」と、不安を感じる自分もいたんです。

 

そんな状態で抜栓したので、もうドキドキです。

 

しかし、このシャトー・マルゴーの抜栓は特別でした。マルゴーの底力に感動して涙が出そうになりました。1975年(44年もの)のヴィンテージなので、鉛になっているボトルのキャップシールをソムリエナイフで切り、パカっと開いた瞬間に、ものすごい香りがするんです。

キャップシールを外しただけなのに、もう「芳醇」という言葉を通り越し、ユリやカサブランカといった、純白で大輪の花が咲く、お花畑の中に連れて行かれたような。高貴な花の香りとエレガントを感じさせる甘い香りが、ブァア〜っと広がった瞬間に、感動して涙が出そうになりました。その場にいた全員の嗅覚を魅了されました。

 

シャトー・マルゴー舐めんなよ!」と熱いメッセージを感じました。

 

キャップシール外す前に、シャトー・マルゴーが「私、行けますよ!!」というオーラを直感で感じていたのに、薄いワインの色を見て「飲めなかったらどうしよう、、、」とか、ホント余計なことを考えていましたね。

 

④コルクが抜けていく時の香りは、どうだったんですか?

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抜栓は15分で。しっかりしていたコルク

抜栓は、コルクが途中で、ちぎれそうにはなったんですけど、コルクの状態は結構良かったので、15分くらいで抜栓できました。

抜栓でコルクが上がっていく度に、高貴な花の香りとエレガントを感じさせる甘い香りが、どんどん強くなっていき、さっきのお花畑にいる状態から、今度は「お花から蜜を抽出する香り」に変わってきて、もう蜂になったような感じです。

コルクが抜けるその一瞬で、その場にいる全員が一本のシャトー・タルボに引き込まれました。

 

⑤一口目は、どんな印象でしたか?

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樽の中で熟成されたウイスキーのロックを水で割ったような「琥珀色」

まずサーブしてボトルから出てきたワインの色は、明らかに赤ワインの色ではない。樽の中での熟成されたウイスキー(whisky)ロックをちょっと水で割ったような「琥珀色」でした。

はじめて口に含んだ瞬間、鼻から脳まで突き抜けるエレガントな香り。

 

そして、まろやかというよりもアルコール特有の”ピリッ”とした感覚がきた後、口の中の唾液と混ざり合って、マルゴーが僕の舌の上を、蓮の葉の上を転がる丸まった水滴のイメージで転がっていく。これ、良いオールドヴィンテージワイン特有の感覚なんです。

前回参加した総額5000万円のウルトラ級のオールドヴィンテージワインが並ぶワイン会でも、古いワインは絶対そういう感じがしました。唾液と混ざり合って、だんだんと甘い感じになり、そこから香りと混じり合って甘さとアルコールやタンニンなどがバーっときて。とにかく、もの凄く感動しました。

 

⑥そのワインを飲んで、人生がどのように変わりましたか?

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マルゴーを主役にした「教養のためのワイン会 in 仙台」

ワインというものの歴史、奥深さ、重みというものを、もの凄く感じました。

もちろん、EXPLORERS CLUB主催のウルトラワイン会のときも歴史、奥深さ、重みを感じました。自分より年齢が全然上で、200歳のシャンパーニュや一番若くて50歳ぐらいのワインたち。もちろん美味しかったし、十分過ぎるほど歴史を感じた。でも僕の舌が、まだそこについて行けてなかったんです。

 

シャトー・マルゴー1975は、「これからまだまだ行けまっせ!」という感じだったんです。僕らが目指すレディース&ジェントルマンという生き方を感じました。レディースには「マダム」という生き方があります。世界中の大富豪が集まる国モナコ公国では、人生のすべてを愉しみ尽くしてきた80歳でいっぱしのマダム。

その基準で、このシャトー・マルゴー1975を見ると、「これが、今からマダムとして生きようとする43歳のときの感じなのか!!」と、ここ数年前にマダムという生き方をする!と覚悟を決めた43歳の女性の印象だったんです。43歳の僕が、ジェントルマンとして生きると覚悟を決めた、同じ歳のシャトー・マルゴー。すごく自分とリンクしました。

 

シャトー・マルゴー1975のマダムとしての覚悟。たとえ今が、どんな状態であったとしても、必ずそこからでもマダムとして生きる。その根底に流れているのがエレガンス。やはりワインの女王と呼ばれる「シャトー・マルゴー」でした。43歳でも女王は女王で、英国のエリザベス女王が、生まれたときからエリザベス女王だったように、ある年齢から突然女王として覚悟を持って生きてきたわけではなく、生まれたときから女王として生きてきたという感じをシャトー・マルゴーからも感じました。

 

そういう「覚悟」を、とても感じたワインでした。明確になったのは、ワインがお酒ではない。お酒ですらないということ。これは僕の中では、とても印象的なワインでしたし、このワインを飲んで人生変わりました。ワインの見方が完全に変わりましたので。

 

⑦マルゴーに出会う前の中川さんにとってワインとは?

洒落た飲み物です。でも、ほぼ飲んでなかったです。ワインには縁はあったのですが、お酒の中ではワインが苦手でした。ウイスキーと日本酒をよく飲んでいたので、ワインはあえて飲むものではありませんでした。ワインが美味しいと思ったことも無かったので。

 

⑧今の吉右衛門さんにとって、ワインとは?

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ワインとは、ジェントルマンシップを纏うベールである

無いと気持ち悪いものですね。そしてワインは、人間のべールだと思います。「ベールを纏う」とか「ベールに包まれている」というベールのことで、オールドヴィンテージワインが日常にあることで、普段、農家として命と向き合っている野性本能剥き出しの僕が、そのベールに包まれてエレガントさやジェントルマンシップを生み出すことができます。

僕のことをあまり知らない人の僕のイメージは、僕がビールか焼酎か日本酒を好んで飲むと思っています。農家だからというイメージがあるのだと思いますが。だから友人が家に来て、一緒にお酒を飲む時に、家ではワインがスっと出てくるので、農家の僕しか知らない人からすると、それでキュンとくるらしいです(笑)

 

⑨これからワインを愉しむ人に向けて、もっと愉しむにはどうすればいい?

シンプルですが、とにかくワインを飲むことです。「なんとかこの女性と付き合いたい、、、」というときに、二人きりでロマンティックにワインを飲みましょう。

ロマンティックな環境にワインは最高です。ワインを愉しもうと思ったら、ロマンティックな環境を作ることと、自分がロマンティックになっていくことが絶対に必要なので、そのときに必ずワインを嗜んで頂きたいと思います。

素敵なオールドヴィンテージワインを買って、友達と一緒に飲むというのも愉しいとは思いますが、もっと愉しもうと思ったら、ロマンティックなシチュエーションや環境、そしてロマンティックな自分がいて、そこにワインを存在させてあげて欲しいです。

これからワインを愉しむという方は、絶対にワインが好きになると思います。そこから、自分の好きなワインを探し出すとか、オールドヴィンテージワインも愉しめると思います。

 

 「インタビュアー:山下裕司 WRITING:上堀内弘樹」

 

 

★★★【オールドヴィンテージワインを愉しみたい方は、こちら】

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