【私の人生を変えた一本のワインNo.30】ロマネ・コンティ1969
- 私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
- 本日インタビューしたのは、この方
- ①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
- ②なぜ、「ロマネ・コンティ1969」を選んだのでしょうか?
- ③ウルトラワイン会に参加しようと思ったきっかけは?
- ④ロマネ・コンティ1969。どんな印象でしたか?
- ⑤一口目は、どんな印象でしたか?
- ⑥ロマネ・コンティを飲んで、人生どのように変わりましたか?
- ⑦ワインに対する考えは変わったか?
- ⑧今の山下さんにとって、ワインとは?
- ⑨これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
- ●【最後に 】
私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?
ではなく、、、
本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。
本日インタビューしたのは、この方
山下 裕司さん
サクソフォーン奏者。在籍メンバー430名を超えるEXPLORERS CLUB福岡地区の地区代表。2018年1月モナコ公国の『Hotel Hermitage Monte-Carlo』で行われたガラパーティーに、アミチエ ソン フロンティエール インターナショナル ジャポンの代表としてテナーサックスを演奏。「SOUND23」を運営。
①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
ロマネ・コンティ(Romanée-conti)1969です。
※ロマネ・コンティ(Romanée-conti)とは?
- 【産地】フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ/ヴォーヌ・ロマネ
- 【格付け】グラン・クリュ(特級格付け)
世界でもっとも高級なワインとして知られ「宝石」とも表現されるロマネ・コンティ(Romanée-conti)。ブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村という産地にある、約1.8ヘクタールのグラン・クリュ(特級格付け)のピノ・ノワール種のブドウ畑からつくられる。畑も狭いことから、生産本数は4,000本〜6,000本程度。
ロマネ・コンティとは、世界で最高のワイン製造業者と言われるDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)社が所有するワインの名前でもあり畑の名前でもある。16世紀頃までは「クルー・デ・サンク・ジュルノー」という名で呼ばれていた、と言われている。
2014年のサザビーズのオークションでは、ロマネコンティ119本が1.8億円のワイン市場最高価格で落札された。
※ロマネ・コンティ(Romanée-conti)を飲む意味
ロマネ・コンティ(Romanée-conti)を飲む。それは、奇跡の土地に顕れた自然の神秘と、その誉れを表現すべく歴史を重ねてきた人間の行為の崇高さを、みずからの内に取り込んで、霊的な人格を向上させようとする行為である。そこに意味を見出すことで、人は偉大なワインを飲む資格を得る。
自分自身が飲むに値する人間かどうかを問う必要はない。むしろ、自らが未熟だから飲むのだ。迷える一人の人間に過ぎないから飲むのだ。飲むことで、何であるべきか、何をなすべきか、啓示が与えられる。生きるための力と、生きる意味が与えられる。
ロマネ・コンティは、ワインなる特別な飲み物の特別な理由を、何より明確にする。
「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの世界(著:ワイナート編集部):84Pより引用」
※1969年(昭和44年)の出来事
②なぜ、「ロマネ・コンティ1969」を選んだのでしょうか?
最高のワインだからです。「ワインの最高峰は何?」と質問すると、おそらく100人中100人が、「ロマネ・コンティ」と答えるのではないでしょうか?
その「DRC Romanée Conti 1969(ロマネ・コンティ)」を飲んだのは、2020年2月に行われた EXPLORERS CLUB 主催『ウルトラワイン会 Romanée-conti SHOCK!!! 』です。会場で圧倒的な存在感を放っていました。
【ウルトラワイン会ラインナップ】
- DOM PERIGNON 1952 Champagne(ドン・ペリニヨン)
- MEURSAULT COMTES LAFON Les Perrières 1970(ムルソー・コント・ラフォン・レ・ペリエール)
- DRC Romanée Conti 1969(ロマネ・コンティ)
- DRC Richebourg 1959(リシュブール)
- DRC La Tache 1972(ラ・ターシュ)
- DRC Grands Echezeaux 1972(グラン・エシェゾー)
- DRC Echezeaux 1967(エシェゾー)
- DRC Romanée Saint Vivant 1976(ロマネ・サン・ヴィヴァン)
- Château d’Yquem 1971(シャトー・ディケム)
③ウルトラワイン会に参加しようと思ったきっかけは?
このウルトラワイン会に参加しようと思ったのは、株式会社ムロドー 代表取締役CEOの飯田啓之さんの『ロマネ・コンティ2010』のインタビューしたことがきっかけです。
このインタビューで飯田さんは、EXPLORERS CLUB ファウンダーのKATO氏らと共に、フランスで5ツ星ホテルの上に格付けされる「パラス」の称号を持つ「ル・ムーリス・アラン・デュカス(Restaurant le Meurice Alain Ducasse)」で飲んだロマネ・コンティ2010について「ロマネ・コンティ。あれはキリストの血だった、、、」と語ってくれました。
このインタビューのおかげで、ロマネ・コンティに猛烈に興味が湧き、DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)は、「人生の中でいつか飲みたい!」というワインではなく「すぐにでも飲まなくてはならないワイン」になりました。
④ロマネ・コンティ1969。どんな印象でしたか?
EXPLORERS CLUB のファウンダーであるKATO氏からも「最高のものを知れ」というのも教わっていたので、このウルトラワイン会のラインナップが発表された時、ウルトラワイン会に即申し込みました。もう二度とこのようなラインナップと出会う事はないだろうと思いましたので。
これまで、ボルドー五大シャトーなど、様々なオールドヴィンテージワインを飲んできましたが、こんなにも美しく圧倒的なエネルギーを感じるワインは初めてでした。それは、抜栓する前から、そこに存在するだけでエレガンスを感じさせるもの。そして、抜栓した瞬間、ロマネ・コンティの繊細な粒子が会場全体に広がり、会場全体を優しく包み込む。そんな感じを受けました。
このロマネ・コンティの畑は、土壌や降雨量、日照、生息する微生物など、全てにおいて理想的な条件が揃っていて、「奇跡のテロワール」や「神に約束された土地」といわれる、ブルゴーニュにおける奇跡のような土地です。その土地の潜在能力を発揮させることに焦点をあて、畑の耕作は馬で行い、農薬や除草剤を一切使用しない農法で葡萄を育て、毎年の収穫は手摘みで行われています。
こうやって1000年以上、代々継承されてきたその重みが、ロマネ・コンティ1969にも詰まっていると感じました。
あなたは、映画「ブルゴーニュで会いましょう(仏:Premiers Crus)」をご存知でしょうか?この映画は、ブルゴーニュのプルミエクリュ(一級畑)のワイナリーで生まれた青年が、著名なワイン評論家として活動していたある時、実家のワイナリーが経営不振で売却寸前であると聞き、実家に戻り再起をかける物語です。
その中で、ワイン造りが上手く行かず悩む息子に、父親が生産者として「ブルゴーニュの尊い2つのこと」を伝えます。
- 最高のワインを造ること
- 子供に伝えていくこと
映画のキャッチコピーにもなっている「家族という名の大地に実るのは、幸せをもたらす1本のワイン」という言葉の通り、家族で代々伝え続けていくワイン造り。これらがロマネ・コンティにも連綿と継承し続けられてきたんだと思います。
⑤一口目は、どんな印象でしたか?
ロマネ・コンティを口に含み、喉を通ると、砂粒くらいの大きさダイヤモンドが身体中を駆け巡り、体の中からダイヤモンドの輝きが煌々と発してくる。「奇跡の土地」というのを感じるくらい土感を感じるものでした。
今まで飲んだオールドヴィンテージワインでは感じたことがないほど、ロマネ・コンティは、きめ細やかで繊細。どんな人でも繊細にするパワーを秘めています。
⑥ロマネ・コンティを飲んで、人生どのように変わりましたか?
ロマネ・コンティ1969は、2020年の今現在飲める赤ワインの中で「頂点のワイン」と言っても過言ではない世界最高峰のワインです。造り手たちは、50年後60年後にピークを持ってくるように、最初から計算して造っているワインでした。
そんな造り手たちが造ったワインだからこそ、「君に飲んでもらってよかった!」と思ってもらえる、そのワインを飲むにふさわしい男でなければいけません。
世界最高のワイン「ロマネ・コンティ1969」を飲んだ男として、もっと上のステージを目指して生きなければならないと猛烈に感じます。そこそこな人生を送って良い訳がありません。
⑦ワインに対する考えは変わったか?
ロマネ・コンティを飲むことで「生きる意味」を考えさせられました。
抜栓した瞬間から、会場全体を美しく包み込むロマネ・コンティ。と同時に、死へのカウントダウンが始まります。抜栓してからの1〜2時間しか触れ合うことができません。その刹那で語り合い・感じ取らなければならない。そういう覚悟を持って愉しみました。
⑧今の山下さんにとって、ワインとは?
「ノーブルな生き様」を魅せてくれるものです。抜栓したら、その瞬間からワインは死んでいきます。今回のロマネ・コンティ1969も、1000年継承されてきた畑でワインを造り、51年間の熟成期間を経て、でも抜栓後2時間ほどで死んでしまう。
それでも、たった2時間でも、その生き様がとてもノーブルでした。
自分もそう在りたいですよね。宇宙の歴史は138億年前にさかのぼると言われています。それに対して人類の歴史は20万年。宇宙の存在に対する人類の存在に当てはめてみると、僕らの人生80年というのは、たったの10時間です。僕らの人生も、あっという間に終わってしまいます。
だからこそ、そのオールドヴィンテージワインの命をしっかりいただくという意識を刻み込みながら飲むことで、自分もノーブルな生き様にしようとする。それが、造り手に対する最大限の敬意だと思います。
⑨これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
ぜひ、夢を語れる仲間と一緒に、20年とか30年と歴史あるオールドヴィンテージワインを飲んで欲しいです。
「新しいぶどう酒は、新しい革袋に」
これは聖書にある言葉ですが、「新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。そんなことをすれば、革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、両方とも長もちする。」という話で、数千年前からワインが熟成されて楽しまれていた、という証だと思います。
熟成って、言ってしまえば、ただ置いているだけです。でも造り手にとっては、その熟成されている期間のことも考えてのワイン造りです。その熟成で積み重なった時間を経てこそ一つの作品です。そういう積み重なった時間をもみんなで分かち合って欲しいと思います。一人で飲んでも面白くないですもんね。
「インタビュアー&WRITING:岩木陽平」
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●【最後に 】
インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。
EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。
メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。
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