【私の人生を変えた一本のワインNo.32】ロマネ・コンティ2010
- 私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
- 本日インタビューしたのは、この方
- ①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
- ②どこで「ロマネコンティ2010」を飲まれたのですか?
- ③レストランに入った時、どんな印象どうでしたか?
- ④ロマネ・コンティの香りはどうでしたか?
- ⑤ロマネ・コンティの畑にも寄られたんですよね?
- ⑥ロマネ・コンティを飲んで、人生どのように変わりましたか?
- ⑦今の林さんにとって、ロマネ・コンティとはどういったものでしょうか?
- ⑧これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
- ●【最後に 】
私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?
ではなく、、、
本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。
本日インタビューしたのは、この方
林 信隆さん(資産形成アドバイザー)
世界最高峰の舞踏会モナコ公室主催『薔薇の舞踏会』4年連続出席。EXPLORERS CLUB ビックバンドオーケストラのトランペッターとして、モナコ公国で開催されオテルドパリ公演出演。フェラーリオーナー。
①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
ロマネ・コンティ(Romanée-conti)2010です。
※ロマネ・コンティ(Romanée-conti)とは?
- 【産地】フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ/ヴォーヌ・ロマネ
- 【格付け】グラン・クリュ(特級格付け)
世界でもっとも高級なワインとして知られ「宝石」とも表現されるロマネ・コンティ(Romanée-conti)。ブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村という産地にある、約1.8ヘクタールのグラン・クリュ(特級格付け)のピノ・ノワール種のブドウ畑からつくられる。畑も狭いことから、生産本数は4,000本〜6,000本程度。
ロマネ・コンティとは、世界で最高のワイン製造業者と言われるDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)社が所有するワインの名前でもあり畑の名前でもある。16世紀頃までは「クルー・デ・サンク・ジュルノー」という名で呼ばれていた、と言われている。
2014年のサザビーズのオークションでは、ロマネコンティ119本が1.8億円のワイン市場最高価格で落札された。
※ロマネ・コンティ(Romanée-conti)を飲む意味
ロマネ・コンティ(Romanée-conti)を飲む。それは、奇跡の土地に顕れた自然の神秘と、その誉れを表現すべく歴史を重ねてきた人間の行為の崇高さを、みずからの内に取り込んで、霊的な人格を向上させようとする行為である。そこに意味を見出すことで、人は偉大なワインを飲む資格を得る。
自分自身が飲むに値する人間かどうかを問う必要はない。むしろ、自らが未熟だから飲むのだ。迷える一人の人間に過ぎないから飲むのだ。飲むことで、何であるべきか、何をなすべきか、啓示が与えられる。生きるための力と、生きる意味が与えられる。
ロマネ・コンティは、ワインなる特別な飲み物の特別な理由を、何より明確にする。
「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの世界(著:ワイナート編集部):84Pより引用」
※2010年(平成22年)の出来事
日本の内閣総理大臣は、民主党の鳩山由紀夫氏 → 菅直人氏へ。
沖縄・尖閣諸島沖の日本領海で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突。サッカーW杯南アフリカ大会で日本ベスト16。バンクーバー五輪開催。小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還。
②どこで「ロマネコンティ2010」を飲まれたのですか?
フランスのパリにあるガストロノミックレストラン「ル・ムーリス・アラン・デュカス(Restaurant le Meurice Alain Ducasse)」というレストランでした。ここは、フランス政府が国内でたった13軒だけに許した称号「パラス」を持つ、5ツ星の上に格付けされる最高級ホテルであり、フランス料理の巨匠といわれるアラン・デュカス氏がプロデュースするレストランです。
③レストランに入った時、どんな印象どうでしたか?
フィリップ・スタルク(フランスの建築家・デザイナー)がアレンジした、ヴェルサイユ宮殿の「サロンドパレ」を再現した、クラシックで優美な内装のレストランは美しいの一言でした。
天井には大きなクリスタルのシャンデリアと、エレガントなフレスコ画などのフランスの伝統建築様式を生かした作り。エーロ・サーリネンのチューリップチェアなど、モダンさも上手く取り入れていました。魂やエスプリは変わらず、発展を続けてきている素敵な時間を刻んできたレストランという印象です。
その素敵な美しい空間の価値を何としても上げたい!と、この時は愉しくて必死でした。
④ロマネ・コンティの香りはどうでしたか?
ロマネ・コンティ2010は、ワイン熟成中に生まれるブーケの香りでした。ただ一番印象に残っているのが、舌に含んで飲んだ時に感じる、鼻腔に抜けるミネラルたっぷりな土の香り。それが非常に印象に残ってます。
「これが最高のワインか、、、」とどう表現すればいいのか一瞬迷いましたが、とにかく気持ちが高揚しました。もちろんワインの味としては最高に美味しいです。
⑤ロマネ・コンティの畑にも寄られたんですよね?
土の印象が残ってる一つの理由として、このレストラン「ル・ムーリス・アラン・デュカス(Restaurant le Meurice Alain Ducasse)」に行く前、車でフランス東部のブルゴーニュ地方にあるヴォーヌロマネ村のロマネ・コンティの畑に寄ったんです。
キリスト教の聖地であるスペイン、ガリシア州のサンティアゴ・デ・ コンポステーラへの巡礼路。その途中にあるロマネ・コンティの畑には、遠くからでも直ぐにわかる十字架が立っています。石垣に『Romanée-conti』と刻まれているんです。カッコいいんですよね。
ロマネ・コンティのぶどうは専用の畑(グラン・クリュ)で取られるんですけど、土が粘土質だったんです。ジュラ紀のプレモーの石灰岩を基盤に、表土は茶色の石灰岩で粘土質が強めの土壌。これは、ビオディナミ農法という自然農法で、土壌のエネルギーを引き上げ、ぶどう樹の生命力を高める農法で作り上げた土壌。土からエネルギーを感じました。
その時は天気が良くて、素晴らしい晴天でした。土を手に取ってみると、水分がだいぶ蒸発しているのか、潰したらボロボロってなるイメージです。
もう数年前から、EXPLORERS CLUB のファウンダーであるKATO氏から「最高のものを知れ」というのも教わっていたので、ロマネ・コンティのグラン・クリュを見て「ここで育ったぶどうなんだな〜」と、世界一のワインを作るロマネ・コンティの畑に来たというのは感慨深いです。
⑥ロマネ・コンティを飲んで、人生どのように変わりましたか?
人生が変わったこととしては、自分の歴史の中に「ロマネ・コンティ2010を飲んだ」という事実が加わりました。
例えば、モナコ公室主催のチャリティガラ「薔薇の舞踏会(Bal de la Rose)」や「24 hours of Elegance」などで、モナコ公国のアルベール大公やシャルレーヌ公妃やイタリア王国の旧王家サヴォイア家のプリンスがいらっしゃるそんな場で、上質な会話を愉しみながら、ロマネ・コンティの話をすることもできました。それは、飲んだという自慢ではなくて、お相手に対する礼儀という意味です。
この「薔薇の舞踏会(Bal de la Rose)」というのは、グレース公妃が1954年に設立して以来、毎年3月に、スポルティング•モンテカルロ のSalle des Etoiles(サル•デ•ゼトワール)で開催される、大規模なチャリティ・ガラです。収益はプリンセス・グレース財団に寄付されます。
この「薔薇の舞踏会(Bal de la Rose)」は、お金を払えば誰でも参加できるというものではありません。また日本とは違い、パーティーで名刺交換なんてしませんので、初めて参加する場合は、お相手がどんな素性の人なのか、お互い分かりません。
でも「ロマネ・コンティ2010をル・ムーリス・アラン・デュカスで愉しんだ」という話をすることで、お相手は「わたし林が、どんな人間であるのか?」を理解して頂ける。そういう意味で、名刺代わりにご挨拶できるものができました。これは、私の人生において、ものすごく大きな一歩になったのは間違いありません。
⑦今の林さんにとって、ロマネ・コンティとはどういったものでしょうか?
「人生の階が、どこまで続くのか?」を教えてくれるものです。
ロマネ・コンティ2010を飲み、薔薇の舞踏会(Bal de la Rose)などに参加させて頂くようになって教えて頂きましたが、高級なワインを飲んだからといって舞踏会などヨーロッパの社交界で勝負できるような男になれると思っているのだとしたら、それは大きな間違いだと。
確かにワインというものは、舞踏会に参加するような人たちとの共通言語ですが、高級なワインを沢山飲んでいるお金持ちは、みんな社交界で勝負できるか?というと、勝負にはなりません。
いろんな種類のワインを飲んで舌を作ることは、スキルとして最低限必要なことであり、それも重要。でも、舌を作ること(スキル)と、社交界で勝負できるようになる思考(考え方)を身に付けることは、同じではない。全く違うことです。
その思考を身に付けることが、人生を彩り豊かにするためのものだと教えて頂けました。大事なことはスキルではなくて思考。行き先とする目的地(ゴール)だけが愉しみだった私は、その道中も全て愉しむことに決めました。私にとってのロマネ・コンティは、次のステージに行くためにも必要なものです。
⑧これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
最初の一口からしっかり味わう。誰かと飲んで欲しい。その誰かと飲んだ時にお互いにどんな味だったかをシェアしてもらうようなそんな飲み方をして欲しいですね。
ワインは、人生を豊かにするためのもの。そこには自分の過去の思いだったり、今その場にいる人とのコミュニケーションだったり、そういったものがワインを味わうことによって上質なコミュニケーションを図るためのツールになります。
人生の頂上を目指して一緒に歩むのは、愛する人たちと。そして、頂上だけでなく、そのプロセスも全て彩り豊かにしたい。そこにワインは必須です。
「インタビュアー:山下裕司 WRITING:落合予示亜」
●【最後に 】
インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。
EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。
メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。
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