【私の人生を変えた一本のワインNo.9】シャトー・マルゴー1969
- 私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
- 本日インタビューしたのは、この方
- ①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
- ②なぜ、シャトー・マルゴー1969を選ばれたのですか?
- ③どのように愉しまれたのですか?
- ④マルゴーに出会う前の久保田さんにとって、ワインとは?
- ⑤「シャトー・マルゴー 1969」に出会って、ワインとは何ですか?
- ⑥シャトー・マルゴー 1969を異性に例えると?
- ⑦これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
- ●【最後に 】
私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン
この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。
突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?
ではなく、、、
本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。
本日インタビューしたのは、この方
久保田 美弘さん(会社経営)
サクソフォーン奏者。「相続・事業承継コーディネーター」Angel Partners 株式会社 代表取締役。世界最高峰の舞踏会であるモナコ公室主催「薔薇の舞踏会」2019年に参加。
①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?
2016年3月、EXPLORERS CLUB 主催のワイン会で飲んだ『シャトー・マルゴー(Château Margaux)1969』です。
※シャトー・マルゴー (Château Margaux)とは?
シャトー・マルゴー(Château Margaux)は、格付け一級で、ボルドー五大シャトーのなかでもエレガントで最も女性的なワインと評され「ワインの女王」と呼ばれる。1855年の格付け当時から五大シャトーの先頭を争う高貴なワイン。
1810年に、フランスでは珍しい「メドックのヴェルサイユ宮殿」と称されるネオ・パラディアン様式の城をボルドーの建築家 ルイ・コンブが建設。
ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人、「レ・ミゼラブル」作者の小説家ヴィクトル・ユーゴー、アメリカ第3代大統領トーマス・ジェファーソン、イギリス初代首相ロバート・ウォルなど、各界の著名人に寵愛されていたワイン。
ノーベル賞を受賞した文豪ヘミングウェイは、あまりにもマルゴーを愛し過ぎて、その名を孫娘に「マーゴー(マルゴーの英語読み)」と付けた。その美しい名の孫娘は、映画女優にまでなった。
※1969年(昭和44年)の出来事
②なぜ、シャトー・マルゴー1969を選ばれたのですか?
2016年3月に、EXPLORERS CLUB主催のワイン会(東京)に参加しました。ファウンダーであるKATO氏のモナコ公国に所有するワインセラーから、「シャトー・マルゴー1969」を二本持参されたうちの一本でワイン会を開催されました。しかも抜栓を担当することに。
私も昔からワインが好きで、ボルドー五大シャトーのワインも飲んできましたが、当時、オールドヴィンテージのワインを抜栓するのは初めてで、47年熟成のコルクは、ソムリエナイフのスクリューを軽く刺すだけで、脆く崩れたりするんです。その瞬間にヤバイ!と思いながらも全く勝手がわからずに抜栓を行いましたが、コルクが途中で折れてしまって、このままだとワイン会の参加者の人たちに、ちゃんとしたワインを提供できないということで、途中交代。
その後、EXPLORERS CLUB ファウンダーであるKATO氏が見事に抜栓。そのときに飲んだ『シャトー・マルゴー1969』の味が忘れられないです。抜栓を途中交代という悔しい思いをしましたが、これまでに飲んだワインとは、全然レベルが違うほど抜群に一番美味しかったんです。
シャトー・マルゴー1969を飲んで「オールドヴィンテージを飲まないとボルドーは分からない」というのが、初めて理解できました。今まで飲んできたボルドー五大シャトーは若いワインだったからです。しかも、今回は抜栓からやっているので、少しずつ上がってくるアロマは、抜栓者にしか分からない特権。一生忘れられない、人生を変えた一本になりました。
③どのように愉しまれたのですか?
そして、今度は一ヶ月後に大阪で「シャトー・マルゴー1969」のワイン会が開催されました。同じ1969年のシャトー・マルゴーなんですが、液面の高さが違うわけです。KATO氏が持参くださった二本のワインは47年間ずっと一緒に過ごしてきたわけではないんだと思います。長くそれぞれの道をたどって日本に来たわけです。
私は同じ「シャトー・マルゴー1969」のワイン会に参加しましたが、東京と大阪で一緒に飲むメンバーも変われば、場所もシチュエーションも当然変わりますので、味も当然違いました。一緒の部分はたくさんありましたが、僕の中での位置づけが大きく違います。東京で抜栓を途中交代した苦い思い出が残る一本目と、マルゴーのあるべき姿を知っている、大阪での二本目。
そのときに参加者の何人かのワインを飲んだ後のコメントが、強烈に頭に残っているんです。例えば、マルゴーといえば「失楽園」ということで大学教授が失楽園の本を朗読したり、ドクター(医師)が手術の時の”血”に例えてマルゴーを表現したり、こういったシチュエーションで飲みたいなど、個性的な表現が強烈に残っています。
④マルゴーに出会う前の久保田さんにとって、ワインとは?
昔は、ただのワイン好きでした。といっても、「どのお酒を飲みますか?」といわれたら、ビールよりはワインを選択する程度で、知識が詳しいというわけではありません。いくつかの選択肢の一つでした。
⑤「シャトー・マルゴー 1969」に出会って、ワインとは何ですか?
今は、ワインのセレクト次第で、その場の空気が変わる。そんな大きな存在だと思います。その場の価値を最大限に上げるために、「その空間にどういうワインを連れてくるべきか?」など、表現方法の一つですね。
例えば、両陛下ご主催されたトランプ米大統領夫妻を招いての「宮中晩餐会」のワイン選びというのは、主催者側の方はお招きした人を、もの凄いリサーチをして、その人に対して「このワインを選びました」というメッセージとしてセレクトするわけです。
これは、僕ら民間レベルでもできる演出です。どういう会にする目的で、参加メンバーの顔ぶれを見て、どのワインをセレクトするか?そしてどういう一言を添えて登場させるかで、その場の価値を上げられるし、セレクトした人の見え方も変わってくる。これがワインの持っている力だと思うんです。
※宮中晩餐会については『両陛下ご主催、トランプ米大統領夫妻を招き「宮中晩餐会」』を参照下さい。
⑥シャトー・マルゴー 1969を異性に例えると?
マルゴーは基本的に女性らしいワインですが、僕の中でシャトー・マルゴーは「マダム・マルゴー」です。その時のヴィンテージ、保存状態、抜栓時間、温度、参加者によって変わっていくんです。素晴らしい保存状態のマルゴーもあれば、会場によってはあまりよろしくない状態のときもある。ご機嫌斜めのマダム・マルゴーになってる事もあるわけです。もちろん、それも愉しむんですけどね。
⑦これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて
しっかりワインを調べて、当日を迎えると愉しめます。事前に調べてワインを飲むのと、何にも調べずイキナリ飲むのとでは、残り方が全く変わります。調べれば調べるほど、当日が愉しみになるし、不思議と美味しくなるんです。
●【最後に 】
インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。
EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。
メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。
こちらの申し込みフォームにご登録いたただきますと『次回の開催案内』をメールにてご連絡させていただきます。
EXPLORERS CLUBの『詳細&ご入会』はこちらです。
<<Explorers Club は2020年11月に解散しました。>>