死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン

【 時代を越えて受け継がれるオールドヴィンテージワインを飲んだ方々の体験談をご紹介しています 】

【私の人生を変えた一本のワインNo.5】シャトー・ディケム2005

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シャトー・ディケム2005

私の人生を変えた一本のオールドヴィンテージワイン

 この『死ぬまでに飲みたい!おすすめオールドヴィンテージワイン』ブログにお越しいただき、ありがとうございます。

 突然ですが、あなたには「人生を変えた一本のワイン」がありますか?大切な人と一緒に記念日に飲むワイン、尊敬する人に薦められたワインなど、あなたにとって特別なワインは何か?

 ではなく、、、

 本当にそのワインがきっかけで人生を変えたワインをインタビューしてご紹介するシリーズです。それぞれの「人生を変えた一本のワイン」をご紹介しています。

本日インタビューしたのは、この方

佐藤真人さん 

山形にある築170年の古民家『萬五郎』の管理人。2年前にEXPLORERS CLUBへの入会をきっかけにワインを愉しむようになり、「継承」と「再生」がテーマの萬五郎でビンテージワインを愉しむイベントなどを行う。

 

①人生を変えた一本のオールドヴィンテージワインは、何ですか?

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シャトー・ディケム

2018年2月にEXPLORERS CLUB山形主催のワイン会で飲んだ『シャトー・ディケム2005』14年前のワインです。

※シャトー・ディケム(Château d'Yquem)とは?
  • 【産地】フランス/ボルドー/ソーテルヌ地区/ソーテルヌ
  • 【格付け】1級特別級

世界の貴腐ワインの頂点に君臨する「シャトー・ディケム(Château d'Yquem)」。シャトー・ディケムは、葡萄の木一本からグラス一杯しか取れない「黄金の雫」といわれる、世界最高峰の極甘口の貴腐ワインの生産者です。ぶどうは粒単位で丹念に手作業で選別される。まさに「ボルドーの宝石」と言われるワイン。

数百年の歴史を誇るボルドーでも最も古いシャトーの一つである。素晴らしいヴィンテージのものは熟成に20年以上かかるとされ、100年以上経っても、その輝きは失われないといわれている。

1855年パリの万国博覧会の際、ジロンド県産白ワイン部門の格付けで、これを凌ぐものはない最高級品ということで唯一「特別1級」に指定されている。アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンに寵愛されていたワインと言われている。

※2009年(平成21年)の出来事

内閣総理大臣は、自由民主党麻生太郎氏から民主党鳩山由紀夫氏へ。

第45回衆議院議員総選挙において、民主党が歴史的大勝を収め政権交代。国家予算の見直しのための事業仕分けが始まった。“キング・オブ・ポップマイケル・ジャクソンが死去。

 

②なぜ、『シャトー・ディケム2005』を選んだのですか?

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シャトー・ディケム

今まで、オールドヴィンテージワインを何本か飲んだことがあるんですが、シャトー・ディケムが自分の中で一番衝撃的でした。初めて出会ったときの味や香りが表現できない何か、、、これがディケムというブランドの経験だったので、デュケムを選びました。

私、科学者なので、味覚とか香りを細分化して表現しようとしたんですが、できなかったですね。初めてと言っていいくらい、今までの思考では表現できないワインです。自分の今まで経験してきた味覚では表現できないから、考え方や感じ方を変えないといけなかったんです。そのどんなイメージが頭に浮かんだかとか、そういう話を初めて本気で考えはじめました。

 

③そのオールドヴィンテージワインをどう愉しんだんですか?

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貴腐ワイン シャトー・ディケム

まず、シャトー・ディケムのストーリーを参加者10人でシェアし合いました。例えば、デュケムは一本の木の枝から枝に、普通だったらぶどうを何個か残すんらしいんですけど、一本の枝あたりに一個しか葡萄の房を残さないらしいんですね。それもちゃんと選んで、この葡萄が良い葡萄だっていうのを残して、選ばれた葡萄が栄養をたくさん吸収して育てられて、それがカビさせられるというか、木についたままカビて、夜カビて、朝日を浴びてカビがとれて、また夜カビてを繰り返うちに水分が取れちゃって、貴腐ワインになった。というストーリーですね。

そのストーリーを聞いて、参加者みんな、ときめいていました。うっとりするって言う感じです。貴腐ワインだからデザートワインみたいな、甘い感じですね。そして、全くお酒が飲めない方がいたんですが、その人ですら「もう早く飲みたい!」って言い出して、で「これは飲める!」と、すごい饒舌になっていました。


その後、抜栓でコルクが抜けていく時に、香りがどんどん次第に強くなっていっていて、完全に抜栓した瞬間に香りが周りに広がって、それを注いでまた香りがちょっと変わってって感じで、アロマがドンドンどんどん変化していくんですよね。

そして、一口目に口に含んだ印象は、すごい爽やかというか甘い香りした。だったんですけど、飲んだり香りを香ったりしながら、シャトー・ディケムが、ぶどうの木からワインの樽に詰められて、熟成されて、瓶詰めされて、僕の所に届くまでのストーリーをきっとこれは表現してるのかな〜とか、みんなで感想を言い合いながら愉しみました。「川のイメージだ!」という方もいました。

 

④シャトー・ディケム2005。一口目の印象は?

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シャトー・ディケム

科学者的な表現じゃないですが、一口目は舌に乗せた時に、まとわりつくっていうか、舌を包み込む感じを受けました。少しとろみがあって、ふわっとしてて、香りが鼻腔に抜けていく感覚。そこからのイメージは、何かキラキラキラキラした霧状になって、いろんな映像というかイメージを見せてくれる感覚でした。ちょっとファンタジーですけど。

もう科学者を捨てた瞬間でしたね(笑)人生の幅が一気に広がりました。

 

⑤シャトー・ディケムに出会って、人生変わったことや、気付きなどありますか?

ディケムを飲んだ次の日に、コーヒーを喫茶店に飲みに行ったんです。今までコーヒーが美味しいと思ったことがなかったんですが、コーヒーを一口含んだときに、「このコーヒーは何を僕に語りかけてるのかな?」とか、そんなことを考えるようになりました。

もう今まで学校で習ってきたことと全く違うことので、戸惑いもありますけど、でも人生とはこういうものなんだろうという、すごく腑に落ちてしまうくらい衝撃的なワインでした。

 

⑥シャトー・ディケムに出会う前の佐藤さんにとってワインとは?

ちょっと小洒落たお酒みたいな感じでした。僕は日本酒をよく飲んでいましたので、縁のないお酒だと思ってました。

 

⑦今の佐藤さんにとって、ワインとは?

大切な人たちとの時間を、より美しいというか、素敵な時間に変えるものです。毎週仲間と打ち合わせの後に、いつもワインを皆んなで飲むんです。時間も忘れて。『あれ?もうこんな時間か?』って感じです。すごいなんというか、時間の濃度も増しますね。しゃべることも、その人のすごい深い部分で思っていたことが出てくるし、ホントに素晴らしい存在です。

 

⑧シャトー・ディケムを異性に例えると?

シャトー・デュケム2005を女性に例えるならば「カルメン・デロリフィチェ」だと思います。きっと彼女は今までもことも、今のことも、これからの未来のこともすべて輝かしく、美しく語って、誇りをもって語ることでしょう。デュケムがあの夜私たちに語りかけたように。

カルメン・デロリフィチェ:米国ファッション業界の最高齢の現役のスーパーモデル。

 

⑨次、飲みたいワインはありますか?

シャトー・マルゴー」がすごく気になっています。先月、みんなで飲んだのですが、僕はその場に行けなくて飲めなかったんです。でも皆さんのアウトプット見て、その抜栓の時のコルクがちょっと上がったときに、あと少しって言う時に香りが一気に広がり始めるんですけど、なんかその、どんな香りだったのか。

実際は劣化してしまっていましたが、それでも皆さん「すごくおいしかった!」という話をされて、だからシャトー・マルゴー1982は、ぜひ飲んでみたいですね。今度は劣化してない保存状態が良いものをみんなで飲んで、僕一人で飲むんじゃなくて、たくさんの人と飲んで、それで『あなたはどんな風にそれを感じたの?』って言う話をして、その人をもっと知りたいし、もっと深いところで仲間のことを知る機会にしたいなって思います。

 

⑩これからオールドヴィンテージワインを愉しむ人に向けて

ワインは一人ではなく大切な人と飲んでください。

やっぱりそのワインについてどう思ったかとか会話すると、その大切な人との相手のことをもっと深く知ることができるし、自分のことももっと深くわかってもらえる。それが科学者の方から言ったら表面上のこういう性格だよね?とか、ああゆう性格だよね?って言うことじゃなくて、その人の本質とか、自分が今までずっと感じたこともない感覚になるんですね、ワインを通して、伝えたり会話できたりすると思うんです。

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シャトー・ディケム

 

●【最後に 】

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 インタビュー記事中に出てくるエクスプローラーズクラブが主催するワイン会は、一本のオールドヴィンテージワインだけを10名ほどのメンバーでじっくり愉しみ、知識や感想を共有し、お互い学びを得ながら上質で美しい時間を形成する会です。福岡地区のワイン会はインタビュアーでもある山下が開催しています。

 EXPLORERS CLUBでは、全国に地区(支部)があり、地区でのワイン会を開催しています。

 メンバーになると全国で開催されるワイン会にもご参加いただくことが可能です。EXPLORERS CLUB 福岡では不定期ですがクラブメンバー以外の方にもご参加いただけるオールドヴィンテージワイン会を開催しています。

 こちらの申し込みフォームにご登録いたただきますと『次回の開催案内』をメールにてご連絡させていただきます。

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